触診のやり方~基本的な5つのチェックポイント~

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こんにちは、松本です。
 
今回は、前回の視診のやり方に続いて、
視診で異常だと判断した場合、
その部位の状態を調べる重要な診察法、
『触診』のチェックポイントを、
紹介させていただこうと思います。
前回の記事と併せて読んでいただけるとうれしいです。

 
 
最短で触診力を高め日々の治療に活かしていくために、
患者さんのどこに触れてどう判断したら良いのか、

 
➀主訴
➁筋肉
➂関節
➃リンパ節
➄徒手検査

 
この5つチェックポイントを具体的に紹介させていただきます。
 
 
 
➀主訴
触診のチェックポイントの主訴
 
熱感、緊張、弛緩、圧痛、知覚、しこり、硬結、反射など、
まずは主訴を局所的に確認します。

 
基本的なことですが、局所を触診する時は、
爪、手掌、指先を清潔にする、
冬であっても手指を適温にする、
(僕は普段手指が冷たいのでお湯で温めてから治療に入っています)
急に強く触れず優しく広く、点ではなく面で触れるようにする、
体位によって筋肉の緊張の具合が違うので、正確に把握するために、
患者さんに姿勢を変えてもらいながら触れるようにします。

 
局所が知覚過敏の場合は、
いきなり触れてしまうと身体が緊張してしまい、
そこから詳しく触診できなくなる場合があるので、
「痛む場所は後で診ます」と説明し他の部位から触診します。

 
 
もし患者さんの皮膚、皮下に腫瘤がある場合は、
硬さ、圧痛、熱間、表面の凹凸、分泌物、可動性を、
必ず確認しておきます。

 
良性腫瘍は一般的に表面は凹凸がなく可動性があることが多く、
悪性腫瘍は一般的に表面は凹凸で不整していて硬く、
周囲の組織と癒着し可動性が悪いことが多いです。

良性腫瘍と悪性腫瘍の比較
 
悪性腫瘍の疑いがあったり、
表面が赤く自発痛や圧痛があって炎症を起こしている場合は、
専門医に紹介するようにして下さい。

 
 
実際、関節が痛いと言って来院された患者さんで、
問診、視診の段階では関節痛と判断したのですが、
触診すると関節部に腫瘍を発見できました。

 
治療を行わずにすぐに病院に行ってもらい検査した結果、
良性腫瘍と診断され、取り除く手術をし関節痛は消えました。

 
治療で治らない症状を見極めるためにも、
主訴をしっかり触診する必要があります。

 
 
 
➁筋肉
触診のチェックポイントの筋肉
 
腰痛、肩こりなど、筋肉に症状がでている患者さんが、
多く治療院に来られると思います。

 
筋肉の触診は左右の同部位を比べたり、
どの筋肉のどの辺か症状を出しているのか、
筋力に異常がないか細かく確認します。

 
特に筋緊張がある場合は起始停止まで確認しておくと、
筋肉を緩める時に効率よくアプローチすることができます。

筋肉の起始停止
 
 
筋肉を触診する時は筋肉の状態を変えながら症状の変化を診て、
触診をしていきます。

 
筋肉を緊張させたときの症状の有無や強弱、
筋肉を弛緩させたときの症状の有無や強弱、
筋肉を伸ばしたときの症状の有無や強弱、
を診て治療の判断材料にします。

筋肉の状態を変える
 
例えば筋肉を弛緩させているのに筋肉に症状が出ている場合は、
筋肉の緊張だけではなく損傷、炎症、神経痛、風邪、疾病などや、
内臓からの筋緊張の可能性も頭に入れてもう一度触診をします。

 
 
筋肉だけが原因で症状が出ている場合は、
治療しなくても自己治癒力で治っていきます。

 
何年も症状がある患者さんは必ず筋肉以外に原因があるので、
細かく筋肉の状態を把握して何が原因なのか考えてから、
治療を始めると治療の成果も変わってくると思います。

 
 
下積み時代の僕は、肩こりの患者さんが来たら触診をせずに、
すぐにベッドに寝てもらいマッサージをしていました。

 
肩のどの辺が張っているのか、ピンポイントで確認せずに、
漠然と肩全体をマッサージするだけなので、
症状が取りきれなかったり、
一時的にその場だけ楽になって、
またすぐに肩がこるの繰り返しでした。

 
ただマッサージをするだけではなく、
しっかり触診をすることで早く症状を改善できたり、
完治に導くことができます。

 
 
 
➂関節
触診のチェックポイントの関節
 
関節の触診は、関節を覆う皮膚、皮下組織、周囲の靱帯や腱、
関節包、関節裂隙、関節を構成する骨を確認します。

 
関節部を触診するときは、
皮下の結節や硬結、関節包の肥厚、浮腫、熱感、圧痛、
腫瘍、粘液嚢腫、ガングリオン、滲出液、石灰沈着、動揺性、
を注意して確認します。

 
 
特に膝に多く見られる関節水腫になっていないか、
腓側広筋や側広筋と膝蓋骨で作られるくぼみや、
膝蓋骨の膨隆を確認しておきます。

腓側広筋や側広筋と膝蓋骨で作られるくぼみと膝蓋骨の膨隆
 
確認の仕方は、
患者さんが仰向けになり膝関節伸展で、
膝関節の側面と全面を両手で強く圧迫して、
示指で膝蓋骨を上から圧迫すると、
液体が貯まっている場合は膝蓋骨が反跳して抵抗感が感じられます。

膝蓋骨跳動
 
 
関節の運動制限や抵抗がないか、
治療者が動かしたり、患者さんに動かしてもらって確認します。

 
骨や軟骨が原因で制限がある場合、
関節包、靱帯、皮膚、筋肉、腱に原因がある場合、
麻痺などの神経系に原因がある場合の3種類があります。

 
現在治療に来られている膝が痛い患者さんの半数は、
関節ではなく筋肉や腱の緊張が原因です。

 
何が原因で関節に制限がかかっているかが分かると、
その原因に対して治療ができるので症状の改善も早くなります。

 
 
 
➃リンパ節
触診のチェックポイントのリンパ節
 
リンパ節の触診は主に表在性のリンパ節で、
側頚部、下顎部、鎖骨窩、腋窩、鼠径部、肘部、膝部を触診します。

 
リンパ節の周囲の関節や筋肉に症状がある場合は、
症状を出ている部位に近いリンパ節を左右触診をし、
腫れの大きさ、圧痛、形、硬さ、左右差、周囲との癒着、
リンパ節が腫脹する疾患でないかを確認しておきます。

 
 
症状がある側のリンパ節が腫れていて、
原因がリンパ節で老廃物が排出されず腫脹している場合は、
リンパをマッサージして老廃物を排出するように促すと、
症状が改善することが多いです。

リンパをマッサージして老廃物を排出
 
リンパを押すときは鎖骨窩をマッサージしてから始め、
揉むよりも優しく広く触れるように圧迫していきます。

 
最終的に左右のリンパ節の大きさが一緒になれば、
老廃物が流れリンパ節の周りの関節や筋肉の状態も良くなります。

 
 
僕が治療にリンパマッサージを取り入れたのは、
治療院を開院してからでした。

 
それまで治療する上でリンパを重要視していませんでしたが、
マッサージしても筋緊張の取れない患者さん、
足や腕のだるさや痺れが取れない患者さん、
腫れや炎症が引かない患者さんに対して、
どうしたら治るか試行錯誤した結果行き着いたのが、
リンパへのアプローチでした。

 
 
 
➄徒手検査
触診のチェックポイントの徒手検査
 
徒手検査として理学的検査、可動域検査、筋力検査などがあり、
画像検査の行えない治療者にとって大事な検査法となります。

 
現在では簡単にネットで検索できますので、
丸覚えはしなくてもよくなりましたが、
対象の患者さんが来られたらすぐに検査ができるように、
事前に一通りの検査法を確認し準備をしておきます。

徒手検査一覧
 
 
徒手検査の結果、陰性が分かったとしても、
それが絶対だと考えるのではなく、
あくまでも陰性の可能性が大きいと考え、
症状を出している要因の一つとして頭の中に置いておくと、
固定概念を持つことなく治療を進めることができます。

 
痛みの強い患者さんには検査を行う前に、
まずはその場の痛みを緩和する処置をしてから、
検査を行うようにします。

 
無理に確認すると症状が悪化することもあるので、
慎重に検査を行います。

 
実際僕は、痛みの少ない患者さんは徒手検査をしますが、
痛みの強い患者さんには行わない場合が多いです。

 
視診と徒手検査以外の触診で判断し、
治療して痛みが緩和したあと、
症状が改善しているかどうか、
自分の診断が正しかったのかどうか、
確認のために徒手検査を使うことが多いです。

 
 
 
前回紹介させていただいた視診と同様に、
触診も患者さんの症状によっては、
確認することがもっと多くなる場合もあるので、
感覚的な判断が求められます。

 
視診と触診の基本的なチェックポイントを把握し、
現場で経験を積み技術を高めていくと、
治らない患者さんはいなくなります。

 
治療の参考にしていただければうれしいです。
 
 
 
 
 
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